78プラドって雪道に強いって言われるけど、実際どうなの?
こんな疑問にお答えします。
これまで、78プラドで雪道を5シーズン経験している私がお伝えします。
そのうち2シーズンは新潟に住んでいました。
その後引っ越してからも雪道は定期的に走りますし、冬の峠道を週500km程度走り込んだ年もありました。
だいたいの雪道は経験しています。
1.雪道における78プラドの実情
雪道では敵なしでしょ?
と、思われる78プラドですが、意外と違う場面もあります。
確かに、走り出すことに関しては最強です。
ただし、走り出してしまうと並以下です。
重い車体、パートタイム4WDが影響しているのですが、この辺りを詳しく解説していきます。
走り出すことに関しては最強
まず、走り出すことに関しては最強です。
- タイヤが太いこと
- 地上最低高が高いこと
- 車体が重いこと
が主な要因です。
そして、仮に立ち往生したとしても、パートタイム4WDをONにすると途端に走り出します。
オプションのデフロックがあれば、なおさら最強ですね。
私の場合、雪道でも4WDに入れることがほとんどありません。
FRのままでもグイグイ走り出してくれる心強さがあります。
走り出してしまうと並以下
え、最強なのは走り出すことだけ?
って思いましたよね。
この疑問に答えていきます。
結論、曲がる、止まるに関しては並以下です。
先ほどメリットとして挙げた点をもう一度振り返りましょう。
タイヤが太い
これは曲がる、止まるに関してもメリットです。
地上最低高が高い
基本的に走り関しては「重心が低い=安定」です。
78プラドのように重心が高い車は、この点で不利で雪道でも、例えばハンドルを切ると、横方向への力が強くなるので滑り出しやすくなります。
ただし、新雪など積雪が多い場合や轍が大きい場合にはメリットにもなります。
車体が重い
基本的に走りに関して「重い=運動性能が悪い」です。
最強の改造は軽量化とも言われるくらいですよね。
重いほど、曲がりにくく止まりにくいです。
ただし、これも先ほどと同様で積雪が多い場合や
轍が高い場合にはメリットにもなります。
また、基本的には重いほど滑り出すのは遅いです。
基本的に重いほど滑り出すのが遅いと書きましたね。
摩擦力とは、垂直抗力に比例します。
物理でやった、F=μN(摩擦力=摩擦係数×垂直抗力)ってやつですね。
なので、基本的には重い方が滑りにくいんです。
ちなみに、垂直抗力とは、地球が車を押し返す力です。
この力が働かないと、車は地球にめり込み続けます。(笑)
平坦な道では、「垂直抗力=9.8×重さ」です。
つまり、以下の通りです。
ポイント
車が重いほど、滑り出すのに大きな力が必要
⇒ 滑り出したときは危険な状態(重いので止まりにくく、曲がりにくい)
雪道でやたら速いトラックは、滑り出しにくいのであの速度で走っていますが一回滑ってしまうと手に負えなくなると思います。
まぁ、トラックに関しては以下の要素も関係していると思いますが。
(乗用車と比較してです。)
・太いタイヤ(後輪はダブルだし)
・広い車幅
・長いホイールベース
こんな感じかなと思います。
ちょっと余談でしたね。
センターデフ無しのパートタイム4WD
ここまで書いて、4WDについて触れてないじゃん!
って反論がきそうですね。
その前に、4WDについて超簡単に説明しておきましょう。
4WDには以下の2つがあります。
- フルタイム4WD
自動的に全輪の回転を制御する - パートタイム4WD
スイッチを入れた時のみ4WDになる
かなりザックリ書きましたが、こんな感じです。
フルタイム4WDはいろんな種類があります。
ポイント
78プラドはパートタイム4WDです。
ハブロックのスイッチを押すと前輪とプロペラシャフトが繋がり、4WDボタンを押すとプロペラシャフトとドライブシャフトが繋がります。
※プロペラシャフト:前輪のタイヤと繋がる、進行方向と垂直のシャフト
※ドライブシャフト:エンジンの動力を伝えるための、進行方向と平行のシャフト
そして、78プラドはセンターデフが無いため、4WD時は常に前輪と後輪が同じ回転数で走ることになります。
これが最大のネックなんです。
4WDで前輪と後輪の回転数が同じということは、
カーブに差し掛かると次のようなことが起こります。
前輪の回転半径が後輪の回転半径より大きくなる。
⇒ 後輪が押し出す力が働き、雪道では不意なテールスライドが発生する可能性がある。
(乾燥路面では、非常に走りにくいです。というか車に悪いです。)
パートタイム4WDは、この原理をしっかりと理解して使わなければいけません。
場合によってはかなり有効ですが、私は滅多に4WDは使用しません。
これは私の主観かもしれませんが、滑ったときの対応もFRの方が制御しやすかったりします。
ABSが無いため、タイヤロックの可能性あり
次にABSについてです。
※ABS:ブレーキ時にタイヤがロックしないようにする装置
ポイント
78プラドにはABSがありません。
慣れていない人には、ちょっと不安ですよね。
(でも、慣れてる人なんていないと思うので、乗りながら慣れるしかないのですが。)
普段からABSを効かせる運転をする人もいないと思いますし、
雪道でも丁寧に運転していれば、あまり効くことはありません。
ブレーキペダルを踏んでABSが効いた時の「ガガガガガ」って感じ、経験したこと無い人もいるのでは?
だからこそ危ないんですよね。
78プラドでも、雪道で滅多にタイヤがロックすることはありません。
でも、交差点や風通しのいい峠道での凍結路面でブレーキを踏むと、急にロックすることがあります。(過去にヤバイと思ったことが2度ほど・・・)
これに関しては、ABSが付いていないという事実を知っておくことが重要です。
サーキットとか教習所で練習できればいいですが、公道では基本的に「ABSが効く経験=危険」ですので、知識を身に着けておきましょう。
「イメージトレーニング」けっこう大事です。
例えば、
- 交差点左折時に30km/hくらいまで減速した
- 滑って左前方の雪の壁に突っ込みそう
こんな場合、ブレーキを戻して(場合によっては少しアクセルを煽りながら)左折は諦めて一度直進するようなことが必要です。
タイヤがロックしている時は、ハンドルも効きませんし、ブレーキも効きません。
まず、タイヤのロック状態を解くことが大事です。
タイヤのロックを解くためには、「今している行動を辞める」です。
具体的には、「ブレーキから足を話す」「ハンドルを戻す」です。
余裕があれば、アクセルを踏み車の速度とタイヤの回転数を合わせることで、タイヤロック状態を脱却できることもあるでしょう。(上級者向け)
ただし、パニックになった時は正しい判断で制御できませんし、速度が速い時は制御不能の可能性が高いので「フルブレーキ」です。
こうならないように、速度は控えめに、「急」のつく運転は避けるような安全運転を心がけましょう。
78プラドの意外な弱点が見えてきましたね。
他にもどんな弱点があるの?と、気になる方は「78プラドの弱点を取り上げてみた記事」も併せてご覧ください。
2.私のいろんな雪道(路面)での走り方【あくまで一例】
最後にちょっとだけオマケ的な話です。
私だったら、こんな路面でこう走る、ということを書いていきます。
先ほども、「危ない経験=危険なので、まずはイメージしておく」ということを書きましたので初心者向けです。
あくまで一例として捉えて頂き、実際の路面に応じた走り方を各自で判断して走ってください。
シッカリ除雪された雪道
ハブロックはしておき、FRのまま走ります。
4WDにしてもOKですが、消雪パイプがある場所など
雪が解けている箇所に差し掛かると一気に走りにくくなります。
先ほども書きましたが、センターデフが無い4WDですので路面に雪が無い状態だと特に右左折時に、めっちゃ走りにくくなります。
(タイヤの回転差を吸収できずにガクガクします。)
ただ、FRだと轍などにハンドルを取られると、テールスライドするので注意です。
新雪がバッチリ積もった雪道
新雪が積もっている状態、除雪が追いついておらず、スネくらいの高さまで路面に雪が積もっている状態を想定します。
この時は4WDに入れます。
雪が積もり轍も無い状態だとハンドルは常に微修正が必要です。
タイヤがあっちこっちいきます。
この状態でFRだと、常にテールスライドが発生している状態です。
個人的には、この状態が一番4WDの恩賜を受けられている気がします。
ピカピカに凍っている道
冷たいようですが(凍っているだけに)帰りましょう。
というか、走らないのが一番です。
FRだろうと4WDだろうとまともに走りません。
北海道とかの人は慣れてるみたいですけどね・・・
何かやむを得ない事情がある場合は、4WDです。
FRだとちょっとした上り坂でも登っていきません。
こんな路面、ちなみに私は1回だけ経験ありです。
本気で引き返そうと思ったのはこの時だけです。
【重要】スタッドレスは必須
最後に、雪道走行時はスタッドレスは必須です。
チェーンでも可ですが、チェーン装着を躊躇しないでくださいね。
「オールテレンで雪道も走れる」という話も見かけますが基本的にダメだと思った方が良いと思います。
(怖いのでやったことはありません。)
「雪道でも、ちょっとは走れる」くらいに思った方がいいです。
78プラドのスタッドレスのタイヤサイズやホイールサイズでお悩みの方は「78プラドのタイヤサイズについて解説した記事」「78プラドのホイールサイズについて解説した記事」もご覧ください。